一般に県境を越える道は重要な道とされ、国道指定、県道指定を受けるのが普通である。
		
特に、埼玉・群馬と長野県の県境は厳しい山も多く、道も整備されているとはいいがたい。
			
		
南に中央道、北に上信越道があるが、その間に今時普通の2車線国道は存在しない。
		
北から、県道93号田口峠、国道299号十石峠、県道124号ぶどう峠、中津川林道。
		
いずれも楽しい道ぞろいだが、地図を見ていると、ぶどう峠と中津川林道の間に何の指定も受けていない白い道で2Km超えのトンネルにより県境越えしている道を発見した。
		
国道すらいまだ整備されていないこの地域で、このトンネルは何なんだろう?
			
		
というわけで、行ってみました。
まずは、長野県側からアプローチ。
		
長野県側は南相木ダムの近辺のため、容易にアプローチできることが予想されました。
さすがに南相木ダムへのアプローチはよく整備されていて容易。
が、途中あったトンネルがシャッター付きでおもしろいものだった。
夜間閉鎖するのかな?
 
		
トンネル出口が四角いのって、ちょっとおもしろい。

シャッター付きトンネルかぁ。

で、南相木ダムとウォータースライダー。
 
		
これ・・・できたてですね。
 
		
青空に突き抜けるような水路。
これの意味は後ほど。
 
		
このダムの最大の特徴。放水路が、ウォータースライダーとこのトンネルしかないのです。
ふつうじゃ考えられないことです。
 
		
さて、ダム艇体の上部へ向かいましょう。
で、行ってみると、ダムの真横に御巣鷹山トンネル。そして閉鎖・・・
 
		
銘板からいろいろなことがわかりました。
		
何より衝撃的なのは、このトンネルが私道だということ。
		
さすが東京電力と思いつつ、このトンネルで県境越えをもくろんでいた私は大幅な迂回を余儀なくされました。
 
		
2005年にできたばかりとあり、コンクリうち立ての真新しいトンネル。
ぎりぎり2車線幅かな?

スペースだけで、まだ取り付けられていない扁額。竣工しているとはいえ、未完成の扱いなのかも。

迂回といっても、南は中津川林道。ですが、ダートなので、ベンツ号ではちょっと・・・
		
最近痛い目みてるし。
北はぶどう峠。向かいますか。
ぶどう峠は県道124号。かなり早い段階で上野への案内があります。

途中、旧道への分岐から見えた光景に引きつけられ、Uターンしてまでいってしまいました。

どう、なかなか見事な片洞門。
手を抜いて、車から写真とったのでいまいちな写真ですね。

落石を脇にのけながらすすむと、雰囲気のよい切り通しもある。

切り通しの先に何かありましたが・・・かろうじて車とわかった。

途中畑があり、農家の方が道路の真ん中に車を止めて作業中でした。
まぁ、まさかあっちから車が来るとは思わないよな。
さて、先に進むと不吉な看板。
ええ〜〜〜

いよいよ峠手前で通行止め・・・
ん?なんか、書いてあるぞ。

手書き・・・峠まではいけますか・・・じゃ、いってみますか。

で、峠です。濃霧。

峠の碑と東屋があります。名のある峠なのでしょうか?

さて、ブドウ峠がだめだったのでさらに北の十石峠へ行くことになります(T_T)。
で、十石峠で群馬県入り。えらい濃霧になってしまいました。

十石峠途中で、手書きの迂回路案内の看板を発見。
		
なんか、ぶどう峠の補助看板(峠まではいけます)もこんな感じだったなぁ。
		
 
		
で、地図を見るに、この先歩道っぽいんですが・・・
		
 
		
まさに迂回路。全うに国道走るよりも近道のよう。
 
		
で、いきなりですが、群馬側からぶどう峠へ向かう途中での林道への分岐。
		

後ろに心霊写真のように写っているY字路標識が不気味・・・

残念ながら工事中でたどり着けず。
		
この先6Kmほどで、トンネル入り口があるはず。
		
まあ、舗装されるらしいので、今度ゆっくり参りましょう。
 
		
その名は中ノ沢林道。昭和36年起工。起工って珍しいな。
 
		
ちょっと、ベンツで行くにはへこたれる道でした・・・てゆうか、そこの出っ張り土砂崩れ跡では?

モノレールあるの?どこどこ??

さてさて、2Kmものトンネルを抜けて、林道に到達したところで、東京電力といえど何も役に立たないでしょう。
		
答えは近くの上野ダムにありました。
		
上野ダムもいまいち謎のあるダムなのです。
		
普通、ダムの設備は提体近辺にあるため、それより上流の道はたいしたことがないものです。
		
しかし、上野ダム脇には、ほぼ全線トンネルで掘り抜いている道がある。
		
(ちなみに、道すがら素掘りの隧道を含む素敵な旧道有り)

これも行ってみれば明確。
		
なんと、ダムより上流に発電所があります。
			
		
ちなみに、更に上流には御巣鷹山の尾根があり、重要箇所ではありますが、発電所を抜けると道が突然林道規格になるので、やはりトンネル郡は発電所のためのものだとわかる。
			
		
さてさて、これより上流にダムはありませんが、ダムより上流に発電所を作ってもしょうもないです。
		
ということは、この発電所は南相木ダムからの水で発電しているということなのでしょう。
		
だとすると、県境越えのトンネルも納得行く。
		
県境を越えているとはいえ、一連の施設ならば、アクセスの改善は重要です。
 
		
調べてみると、やはり、上野ダムと南相木ダムはペアとなっている揚水式ダム(落差653m!!)
		
南相木ダムは日本一高いところにあるダムだそうです。
		
(揚水式ダムとは、夜の電気が余っているうちに水をポンプでくみ上げて、昼の電力が必要な時に発電するダム。要は巨大な充電池みたいなもの)
			
		
気になったのは、県境=分水界を超えた水路って環境的に問題あるのではないかということ。
		
これも調べてみると、南相木ダムは神流川の水をくみ上げた水で満たされているとの事。
		
ま、気を使ってはいるみたいですね。
		
例のウォータースライダーは、もともとの南相木川の水を流すためのものらしい。
一連の発電設備は2005年にできたばかり。
		
まだ、一部の設備が動き出しただけのようです。
		
発電設備は基本的に地下らしい。
地図にはないトンネルが既に掘られていましたが、あれは、発電所への道。御巣鷹山トンネルにもつながっているのでしょうか?
		

御巣鷹山の山中には地下要塞が完成しつつある。。。