サンバー、ブローバイについて考えたのでメモ。

基本的には、ブローバイはロッカーカバーからエアクリに行く一本のみ。

ロッカーカバーに一応、気液分離あり。気持ちだけ。

ロッカーカバーに2本のパイプがある物もある(スーチャーとか、赤帽とか。年式によりありなしがあるよう)が、もう一本のパイプはオイルパンに直結しているようなので、ブローバイが多い場合のバイパスのよう。


 


 


ところで、ブローバイの管理方法にはオープンループとクローズドループがある。

オープンループは、ブローバイをエアクリ - スロットル間に返す物。

クローズドループは、上記経路も持っているが、別にPCVバルブ経由でスロットル後のインマニに返す経路も持っている物。


さて、エンジン動作中、クランクケースはピストンからの吹き抜けがあるので、基本正圧。

スロットルオフ状態でのエアクリ近辺は基本的に大気圧。

と言うことは、エアクリ手前に返したブローバイはエアクリ経由で大気開放ですね。

オイルミストはエアクリで吸収されるけど、HCとかは出てちゃう。


それはよくないと言うことで、クローズドループなのだと思う。

PCVバルブという、オリフィスと1wayバルブを経由して、インマニで吸い込む。

スロットル後は全開時以外の多くのシチュエーションで負圧状態。

負荷が小さいときはブローバイ少なく、オリフィス経由で十分引ける。

全開時はブローバイも多いが、スロットル手前の配管から引ける。

と言うのが、ブローバイ処理の意味だと思う。


クローズドループの動作で、新気を取り込み、オイルの劣化を抑制するという記載を見つけた。

これは、全然理解できない。

確かに、ブローバイ量とPCVの流量の設定次第では新気も入るだろうけど、換気できてもせいぜいロッカーカバー程度、オイルパンまで行くか?

で、換気できたところで、なぜ劣化が抑制されるのか?

ということで、ここは気にしない。


ここで、最近言われ始めた社外品について

まずは、バルブがないスロットル手前に経路について、1wayバルブを入れるというのがはやっている。

出元はバイクのレース界で使用されていたようで、バイク用パーツから発展しているようだ。

バイクの多くのエンジンが採用している、ピストンがバランスしていないエンジン(単気筒とか、Vツインとか)だと、エンジンが回るごとにクランクケースの内容量が変化し、空気が圧縮される。

なので、その分を1Wayでにがしてやって、基本負圧にすることで空気抵抗を減らす考えのようだ。

理にかなっている。


で、それを、4気筒6気筒の車用エンジンにも適応しようと考えた人がいるようで、すごく高額な社外品が出ている。

・・・基本的にクランクケースの内容量かわらないっすよ?

まして、戻り先はスロットル手前で、基本大気圧。

ブローバイの戻りがなくなる分と、バルブの開弁圧力による圧力増でどっちが得かね?

やっぱり意味ないと思うなぁ。


 


さらに、バイク用では、もう一歩進んで、ブローバイを排気管に戻す物もある様子。

排気管って、圧力高いのかと思ったら、エキマニあたりは流速が早いもんだから、負圧なんだそう。

その負圧で吸い取るらしい。

これは攻めた設計だけど、低負荷運転の多い自動車では危険かな。

そういえば、2次エア吸気って排気管にフレッシュエア入れる排気ガス低減装置もありますね。


 


あと、昔は、オイルキャッチタンクつけて大気開放というのは定番だった。

ま、排気ガスの一部が触媒通さずに排気されるので違法改造ですが。

これは、結局、エンジンをフレッシュエアだけで回せるのがメリットなのかな?

圧力観点ではオープンループと変わらんと思う。



 


ということで、サンバーは、オープンループ。

いろいろ考えたけど、キャッチタンクつけるだけでいいかな。

よく考えたら、ベンツ(M104)もオープンループか?他のところで抜いてたらわからんけど。