関東圏内において、西沢渓谷の森林軌道跡はかなり有名。
参考文献1の「鉄道廃線後を歩く」でも紹介されていて、ずっと前から行ってみたかったところのひとつです。
そもそも西沢渓谷は紅葉など、ハイキングコースとしても有名だが、遊歩道に指定されている箇所がすでに森林軌道の廃線跡であり、一般にも知られている。
紅葉の季節にはちょっと遅かったようです。
が、遊歩道になっている部分はごく一部。
より上流へ向かうと、2つの隧道があるという。
ただし、参考文献1によると、この上流部分は崩落箇所が多数あり、登山のエキスパート以外は立ち入るべきではないとの事。
私は登山のエキスパートではないので、今まで躊躇していましたが、友人と共にまずは様子を見てくることにしました。
一人だとトラブルがあったときに多分死にますので注意。
当分の間は鶏冠山(東)林道を歩くことになります。延長10Kmは西沢渓谷とは別方向です。
さすが、メジャーな観光地はゲートが厳重だなぁ。。。
・・・ちゃりは?ま、今日は歩きだけど。
一周4時間のお気楽ハイキングコース。
なんかある〜〜〜・・・トイレです。
道のりの半分はよく整備された遊歩道。
行きと帰りでは別々のルートを取るようになっています。
行きのルートは東沢森林軌道の跡のよう。
いくつか遺構が散見されますが、あまり軌道跡のイメージはない。
昭和30年代という早い時期に林道として整備されてしまったよう。
この石垣も微妙・・・
ヌク沢を渡る橋梁。ん?
向こう側になんかあるぅ!
というわけで、東沢林鉄跡ヌク沢のコンクリート橋脚。
なんか、唐突にある。
いまいち現役時代の線路がイメージできない。
下流側は林道に飲まれて路盤がイメージできない。
上流側は線路が崖から生えているように見える。
さてさて、歩道としては広々とした林道をのんきにお散歩すると、山荘が現れます。
その脇から西沢渓谷入り口です。
いよいよ林道をはずれ、登山道になります。
この吊り橋は東沢を渡るもの。砂防ダムが興ざめです。
吊り橋から下流を眺める。左から流れ込んでいるのが、西沢。
ずんずん。
いよいよ西沢渓谷です。
ここで東沢との分岐点となりますが、東沢は入山禁止。
この先にも森林軌道の遺構はあるのかもしれませんが、もはや登山道もありません。
素人が入山しても遭難するだけ。
(ちなみに、東沢はスラブの連続で、沢屋には有名なポイントらしい 。専門の知識と道具が必須)
というわけで、素直に登山道を登ります。
急激に沢が近づいてきたかと思うと、あとは沢沿いに歩くというより、沢そのものを歩く感じ。
激しいアップダウン(主にアップ)で体力を奪われますが、なかなか心地よい景色です。
西沢はお散歩するにはよいですよ。
こんなすてきな景色もあるし。
途中にある橋は林鉄とは何の関係もありませんが、林鉄風のつくりになっております。
程良く枯れているあたりもよいですね。
西沢一番の目玉、五段の滝。
写真には納めにくいのですが、なかなかのスケール。
滝見台は立派で結構なのですが、
はるか上空に人工物発見!!
なんだろう?と思っていると人影が!
え・・・歩道ですか?てゆうか、あそこまで行くって言うことですか?
五段の滝だけにごく一部です。
先ほどの橋もこちらからだといい感じに見えます。
さらに、五段滝の途中、廃橋跡を発見。
どこへ行くんでしょうか?
対岸にも何かがあり、どうも、滝見の施設があったよう。
今はたどり着く術もない廃墟です。
地図をよく見ると、このあたりから東沢へのルートもあるよう。
もっとも、橋もあることになっているので、この先は廃道でしょうが・・・
お。もうちょいだ。
な、なんかある!!
その後、あまりに急すぎて階段となった道を登ると突如平場に到達します。
そして、そこにはレール。
そう、ここが西沢森林軌道跡との合流点であり、登山道としては折り返し地点。
この辺が軌道。土に埋もれたレールが見えますか?
最後まできたなぁ・・・
折り返し地点で休む人も多く、こんな感じ。
ちょうど軌道上にトイレが設置されており、土台にレールも使用されています。
さて、ここで上を眺めていた友人。
「あれ、何だと思う?」
「・・・見てくる」
というわけで、見に行ったエンジン。
直列6気筒、OHV。ガソリンエンジン(プラグもあるので)。
かなりの年代ものと見ましたが、そもそも、なにこれ?
西沢森林軌道は馬力によりトロッコを引き上げ、荷の重さで坂を下った軌道。
機関車はここを走ってはおりません(計画はされたらしいが)。
素敵エンジン。
しかも、わざわざ軌道から一段高いところまで持ち上げてあるし。
まあ、なんだかはわかりませんが、平場なこともありますので、何らかの施設があったのかもしれませんね。
その発電機か何かかなぁ?にしては立派過ぎるエンジンですが。
GMだし。
さて、ここからが本番。
いよいよ手付かずの廃線跡です。
てゆうか、しょっぱなからくじけそうな景色なんですが。。。