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秩父鉱山(現ニッチツ鉱山)は、現役鉱山でありながら廃墟マニアには有名な鉱山である。
車で簡単にアプローチできる立地条件もあり、荒されることも多く、管理者もナーバスになっているよう。
正直社宅あたりの生活廃墟に興味はないが、近場だし、回れる林道の途中なので何度も来たことはある。

何度目かに来た時に、気がついたもの。
一棟の赤さびた鉄塔。
高さも相当なものだが、そのてっぺんについているものはプーリー。
つまり、索道鉄塔!! ここから索道の調査が始まった。。。

最初にヒットした情報は、秩父鉱山より、秩父鉄道皆野駅までつながっていたというもの。
まさか!と思うほどの長距離輸送。
しかし事実のようだ。
ただ、見つけた索道鉄塔の向きは明らかに皆野を向いていない。 基本的に直線しか引くことができない索道なので、ここで調査が暗礁に乗り上げてしまい、数年放置していた。

2016年になり、月一ペースで探索しているので、索道の調査も再開してみた。
すると、重大な情報にたどり着いた。
https://www.geocities.jp/red50kei/titibu/titibu-main.html
こちらのサイト。
“日本近代の架空索道 斉藤達男著”
という書籍に言及があるという。
入手しようと思ったが、かなり高額なので、入手出来ない。今度図書館を使って調べてみよう。

 

さて、内容としては、秩父鉄道の索道には2世代あったと。
初代は木造で、皆野へ向かっていた。
2代目は鋼製で三峰口へ向かっていたという。
そして、重要なのはルート。
数回曲がっている!!
これは、完全に私の知識不足だったが、そもそも、索道での長距離輸送では一つの系統で終わるものではない。
ワイヤーのテンションを保つためにも、輸送する動力の観点でも、中継地点を介して何系統も連ねて運ぶ必要がある。
つまり、一つの系統は直線でなくてはならないが、いくつもの系統を組み合わせれば自由にルートを取れる。
また、メンテの都合も考えれば、余りにも人里離れた山中を通るのは得策ではない。公道の近くを通るようになっている。

 

 

更なる調査で、実は、国道299号脇に中継地点の跡があることがわかった。
何度も通ったことのある299号のすぐ横。
例によって己の節穴っぷりに驚くね。
この中継地点の向きと秩父鉱山での鉄塔の向き。
山中にもう一箇所、ほぼ90度に曲がる中継地点が必要になるはずだ。

 

と疑いながら、Google MAPで線を引っ張って妄想していると、その中継地点と疑われるあたりに90度に折れた建物が??? これ、どうみても、それ? 場所は、国道から直線距離でわずか300mほど。 ネットではまったく情報も無いので、基礎くらい残っていればいいなという気楽な気持ちで行ってみた。

 

前置き長かった・・・
納宮の中継地点跡をさくっとながめたあと、あいにくの雨ながらアプローチ開始。
荒らされるのがいやなので、詳しい場所は記載しないようにしよう。
上の前置きから検討すればわかると思う。
車は閉鎖された旧橋上に問題なく駐車できた。

 

とはいえ、国道から直線距離で300mほどなので、そのままアプローチしよう。
GPSの登録地点を目指してその方面を見ると、壁?
忘れてた。ここ、山だった。
直線距離では300mほどだが、高低差も相当なもの。地形図読んでこいよ・・・(高低差200mくらい?)

 

まあ、他に道があるわけでもないので、直登開始。
基本は、山頂を目指す感じで。
よく整備された植林の中をひたすら登っていく。
というか、林業の人はこれをチェーンソー持ったまま平気で登って、お手入れしてるんだよな・・・

 

道なき道をひたすら登る。
一定の斜度がずっと続く。
なんだか、この森はきのこがたくさんあるな。きのこの森。そういう季節というのもあるか。

 

ただひたすら登ったところで、尾根筋に出て少し斜度がゆるくなる。
すると、YAZZさん、人工物発見の報。
や、それ、隙間から空見えてるだけじゃねぇの?

といいながら登っていくと、やはり、人工物だった様子。

 

 

というかきたー!!

 

 

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